だいすきだから つたえたい
あなただけに つたえたい
相思相愛。
「フェイタン、フェイタン。」
「…?何ね、ワタシ今読書中よ」
のどかな昼下がり。
クロロは随分と古めかしい、分厚い本を読んでいる。
マチはなにやら服を作っている様子で、鮮やかな手つきで布を縫っていた。
シズクはパクノダとコーヒーを片手に雑誌を読みながら話をしている。
シャルナークは携帯を片手になにやら作業中で、フィンクスは何やら雑誌を読んでいる。
他の団員達はそれぞれ仕事であったり、自室で何かしらしているようだ。
皆思い思いに時を過ごす広間で、はフェイタンに近寄った。
「飛弾、我爱你」
聞きなれない言葉に、皆が視線を投げる。
その言葉の意味を知っているクロロだけが、小さく息を詰まらせ、咽た。
フェイタンは面食らった様子でを見るが、は笑みを浮かべてフェイタンを見つめるだけだった。
しばらくしてその意図を汲み取ったフェイタンは、ふっと口角を吊り上げた。
「我也爱你、」
「真的?」
「谎言不叫哟」
二人の世界に入り込もうとしている。
そう思ったフィンクスが、二人に声を掛けた(勇者だと思ったね、とはシャルナークの談である)
「…よぉ、二人とも何喋ってんだ?」
「「内緒(ね)」」
「何だよ、二人の世界作りやがって」
「悪いか」
「いや悪くねぇけどよ……」
イチャつくなら部屋でやれよ…、と零したフィンクスの顔面スレスレを、ナイフが掠める。
ガスッと音を立てて、フェイタン愛用のナイフが壁に突き刺さった。
「なら黙てるね。」
明らかに不機嫌なオーラを出すフェイタンに、フィンクスは恐怖を覚えた。
(邪魔するからあぁなるのに、学習しないよなぁ)
シャルナークは携帯から目を離さず、そう小さく呟いた。
「特別だから、フェイタンだけ判ってくれればいいんだよ。ね?」
「そうよ」
くすくす、と笑いあう二人の周りには、黒と桃色が混在したオーラが見えた。
「飛弾、请再一次说」
「几次也说……我爱你、。」
邪魔をすればどういう目に合うか皆わかっているので、傍観を決め込んだ。
旅団の最凶コンビも、普段はただのバカップルでしたというお話。
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やってしまったC国語ネタ
その部分の翻訳 上から順に
「フェイタン、愛してる」
「ワタシもよ、」
「本当?」
「嘘は言わないね」
ちょっとあいて
「フェイタン、もう一回言って?」
「何度でも言てやるね……愛してる、」
はい、バカッポー
2006/11/16 テトラ