「じゃあ、此処がちゃんの部屋だからね」





にっこりとそう言って通された部屋は、何処も彼処も桃色の乙女ちっくな部屋だった。














Libschaft Lid 04 - 長い一年の始まり始まり -












「えーっと……まず何処からツッコめば」




壁紙はピンク。カーテンもピンク。

豪華な天蓋付きのベッド---俗に言うお姫様ベッドとかいうヤツだ---までもピンク一色。

大きなクローゼットも、ドレッサーも、テーブルと椅子までもピンク色。




「……あ゛ーーー……」



やばい、蕁麻疹出そう

でもせっかく…せっかくブルマが用意してくれたんだし………

でもこんな落ち着きのない色の中で1年はちょっと…いやかなりキツい……



「……まずい、体痒くなってきた……」



がっくりとうな垂れたまま、とりあえず私はクローゼットを開けた。

派手目な色使いの服ばっかりだ(ここもか!)

とりあえず落ち着いた黒いキャミソールと、ローライズのジーンズを着た。










***







「ブルマぁー」


「はーい?」


「…あの部屋落ち着かない」


「あら、ピンク嫌い?」





いや、嫌いっつーかそれ以前の問題……





「嫌いじゃないけど、あそこまでピンク一色だと落ち着かない」


「あらそう。じゃあ何色ならいい?」


「変えてくれんの?」


「だって落ち着かないならしょうがないじゃない」




金持ちってすげぇ。




「そだな、モノトーンな感じがいいな」


「あら地味」


「や、元の世界の私の部屋もそんな感じだったから…」


「そう?なら今日中にでも模様替えさせるわ。」


「ごめん、サンキュ」


「ところでコーヒー淹れたんだけど、ちゃんも飲む?」


「あ、頂きます」



ほい、と差し出されたマグカップを受け取る。

香りからして高そうな豆だ。

一口飲めば、今まで飲んだことないくらいおいしかった(金持ちってすげぇ)



「そうだ、あとで孫くん達も呼んで紹介しとかなきゃね」


「…はぁ」


「今夜はパーティでもしましょうか♪」





結局ブルマの思いつきで、その日の夜はパーティが開かれる事になった。

手伝ってねーと笑顔で言われて、私は夜まで大忙しだった













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真ッピンクの部屋なんて住めない私



2006/10/31 弖虎