根性の据わった女。 それがオレの、に対する第一印象だった。初めてと会ったのは数ヶ月前、ソルジャーの男4人に囲まれて何か因縁を付けられていたところにたまたまオレが通りかかった。の噂はオレも聞いていたから、また1stに昇格できなかったヤツらがやっかんで女性初の1stであるにケンカを売っているんだろうということは安易に予想が付いた。華奢な体躯に似合わない巨大なクレイモアを背負った彼女は、そいつらが一斉に殴りかかってくると一瞬でそいつらを床に叩き伏せていた(オレの目でも彼女の動きは追えなかった。そういえば彼女は韋駄天と呼ばれていた気がする) 「……強いな」 「…英雄様がこんな所に何の御用で」 「絡まれているのが見えたから助けに入ろうとしたんだがな」 「無駄足だな。女とはいえクラス1stのソルジャーが2ndに負けてどうする」 はそう言いながら長く伸びた金髪を一つに束ねた。白い肌に不釣合いな痛々しい程の青い痣が頬に見えた。殴られたのか、と聞けば彼女は正当防衛の為だと言い口角を吊り上げる不敵な笑みを浮かべた。…ビスクドールのように整ったその見た目とは正反対に、彼女はとてもしたたかな女性らしい。 「クク…っ面白い女だな、お前は」 「…で?まだ何か御用ですか」 「いや……だが…そうだな、興味が沸いた」 「は?」 「お前に、だ。愚鈍な女は好まないがお前のような女は嫌いではない」 「そりゃあどうも」 「、だったか?」 「あぁ。だ。=。」 英雄様に名前を覚えて頂けていたとは光栄の至りですわ、と少しばかりふざけた口調で言ったは踵を返した。オレと対照的な金色の髪が窓から差し込む光を受けて淡く光っていた。 「また、会えるといいな。あんたとは気が合いそうだよ、英雄殿」 はそう言い残すと束ねた髪を揺らしながら階段を降りて行った。彼女と再会したのはその4日後、辺境の地に大量発生したモンスターを駆除せよとのミッションを受けたその日だった。戦場を駆けるを見て、彼女が韋駄天と呼ばれるその所以を知ったオレは、更にまた彼女に興味を持ち惹かれて行く事になる。 |
打撲だらけの顔が歪んだ
(それはとても気高く神聖な、君の 笑顔 )
実はイザーク夢の使いまわし(おい)