「!お前いきなりサンダー打ち込むとはどういう了見だ!」……や、やあクラウド、ハロー?」 やっぱりというか何というか、カダージュを寝室へ行かせておいてよかった。来客は予想通りクラウドだった。クラウドは怒り心頭で私のTシャツの襟首を掴み上げるとさっきのサンダーに対する怒りをぶつけてくれやがった。 「ハロー、じゃない。お前さっきハーディディトナの後ろに乗せてたのは誰だ?」 「だ、誰ってクラウドには無関け「銀髪だったな」……う、」 「カダージュによく似ていたな」 「……キノセイデスヨー」 「何で片言になるんだ、図星か。邪魔するぞ」 「ま、待って待って!プライバシーの侵害だぞクラウド!」 「知るか。」 目の前のチョコボは私が止めるのも聞かず(全力でしがみ付いてみた所で結局は無駄な努力らしかった)ずかずかと人の家に上がりこんだ。リビングを一通り見回して誰もいない事を確認したクラウドはつけっぱなしだったテレビ(消し忘れてる!)を見ると私に振り返った。…嫌な予感がする。 「、テレビがつけっぱなしだな」 「う、うんうっかりしててさ」 「お前風呂入ってただろ」 「け、消し忘れ?」 「とぼけるな。アイツはどこだ」 クラウドは不味い事にカダージュがこの家にいると確信を持ってしまったらしい。何とかしようにも、アイアンメイデンはマテリアと一緒にハーディディトナの中なので、腰に剣を下げているクラウドを止めるのは難しい。どうしようどうしようと思っている間に、寝室のドアが開いた。……あぁ、終わった。 「……兄さんやめてくれないかな?姉さん嫌がってるじゃないか」 「………カダージュ、やっぱりお前か。っていうかその格好は何だ説明しろ」 「やだなあそんな事聞くの?野暮だよ兄さん」 「ぶっ殺すぞ」 ……ってか。カダージュ君?君、さっきちゃんとTシャツとジーンズ姿で寝室行きましたよね?なんで脱いでいるのかな?ん?ってゆーか、上半身裸とか目の保よ…じゃなかった目の毒だからっていうかなんで脱いでるの?ねえ。 「カ、カカカカカカカダ?カダ、ジュ、え、あ、?え?」 「落ち着け」 クラウドの声にはっとするも、やっぱり目の前にいるカダージュは上半身裸で腰にシーツを巻いているという、まあ普通のオトナが見れば明らかに今までいたしてましたな格好な訳で、私は私でシャワー浴びてた訳で、ミドガルズオルムを真っ二つにして帰ってきましたなんていう真実は今目の前にいるクラウドに通用しそうもなかった(クラウドの顔はマジだった)ってゆーかカダージュ、何処でそんなこと覚えて来ちゃったのおねえちゃん悲しいわ!(とりあえず今夜から一緒に寝るのはやめようとおもった) 「兄さん、邪魔」 「そうかもう一度星に還りたいかそこに直れこの戯け者」 「クラウド落ち着いて!剣しまって!」 「何だよ僕と姉さんは愛し合ってるんだ、当然だろ?」 「カダージュゥゥゥゥゥ?!あんたいつからそんな子になっちゃったの?!」 「、お前が知らないだけでコイツはかなりの鬼畜だぞ」 「ってかねほんと何もしてないから!ミドガルズオルムぶった切って体液まみれになってシャワー浴びてただけで別にカダージュとはまだキス以上の何もしてないし!」 「そうかキスはしたのか。」 「……はっ!」 「姉さん、ばか」 クラウドの額に青筋が浮かんで、ダージュは呆れたみたいにため息を吐いて墓穴を掘った私は顔面蒼白、あぁもうなんだこれ。誰か助けて。 「ク、クラウドもカダージュも落ち着こう?!ね?!」 「やだな姉さん僕はいつだって冷静だよ。怒ってるのは兄さんだけだよ」 「お前自分の事棚に上げてよくそんな事が言えたもんだな」 「本当の事だろ。それとも姉さんを取られて悔しい?」 「だから何もしてないっつーの!」 「とりあえず服を着ろ、見苦しい」 「あはは逆ならよかったって?兄さんって意外にムッツリだ「黙れ刻むぞ」 カダージュ、君はどうしてそう物事をややこしくする天才なのかな…?! 兎に角今目の前で角が生えんばかりの勢いで怒っているクラウドをどうにかしなければ、と思った私は何故か偶然そこに置いてあった金属バット(流石に一般人相手にガンブレードは使えないので護身用のヤツだ)を思いっきり振り上げていた。気付かないクラウドの後ろでカダージュがふっと笑ったのが見えた気がする(でも止められなかった。このままだとカダージュがまたほしに還ってしまうので致し方ない) 「おりゃっ!」 「ごふっ」 「……姉さん相変わらず過激だね」 「誰のせいよ」 思いっきり振り下ろした金属バットは見事クラウドのチョコボ頭に命中、短い断末魔を残してクラウドはその場に昏倒した。 「あー楽しかった」 「カダージュ、めっ」 「……姉さん、痛い」 楽しかった、なんて晴れ晴れとした笑顔で言うカダージュにデコピンひとつ、私は今目の前で昏倒してるチョコボ頭の始末に頭を悩ませるハメになった。 |
悪戯好きなようです。