「てめぇイカこのやろうカダージュを返せイカあぁぁぁああ!」 の叫び声が聞こえと思った次の瞬間、オレの刀を受け止めていたセフィロスはビルの壁をぶち破っていた。一瞬何が起こったのかパニックを起こしかけたが、つまりはカダージュがジェノバの首を体内に取り込みリユニオンした後セフィロスに戻り、それを見たが逆上してイカ…じゃなかったセフィロスに全力で飛び蹴りをかましただけの事らしい(不意を付いたとはいえあのセフィロスをビルに叩き込む程の蹴りを放つが恐ろしい) 「カダージュ正気に戻りなさい!イカになんてならないで私そいつ大ッ嫌いなの!」 「いや、あの、?」 「カダージュ!お姉ちゃんアンタのこと嫌いになるわよそれでもいいの?!」 「…?」 「うっさい黙れチョコボ!あぁもうあのイカ!カダージュを返せっつってんのよボケがっ!」 ばち、っと音がしたと思えば、はいかづちのマテリア(マスターレベルまで使い込んだ愛用のマテリアだ)を握り締めていた。怒りに任せて魔力を制御するのを忘れているらしいはセフィロスが突っ込んだビルに向かって地を蹴っていた(もうオレにも彼女を止める事は出来なそうだった。) 「カダージュ正気に戻りなさぁあああああい!」 ドンガラガッシャーン、例えるならそんな感じだろうか。はビルにサンダガを叩き込んだ(いくら今はセフィロスの姿とはいえ元はカダージュなのだがきっと今のはそれすら失念している事だろう。彼女はエアリスを殺したセフィロスを誰よりも恨んでいた) 「く…っ誰かと思えば、我がいもうt「妹とか言うな私は海産物じゃねぇっていうかカダージュ返せこらイカ」…相変わらず口が悪いな」 「ほっとけっていうかカダージュ返せよイカ」 「私はイカではない」 「嘘だね何だっけセーファセフィロス?あれモロにイカじゃん。ねぇあんたイカとリユニオンした訳?セフィロスさんともあろうお方がイカとリユニオンだなんて!これじゃあセフィロスじゃなくてイカロスだね太陽に突っ込んで死んで来いよイカがっていうかカダージュ返せイカ」 完璧にオレの出番はなくなった(っていうか何度イカって言えば気が済むんだ、)。セフィロスと対峙しているの瞳は怒りに満ち満ちていて、その口からは綺麗なソプラノでこれでもかと言うほどトゲと毒のある言葉が飛び出していた。(流石のセフィロスも若干引いていたが仕方ないと思う) 「……カダージュか……」 「そうだよあんたのヘドロよりも濃い恨み辛みの思念から産まれたなんて思いたくもないけどね、あの子は私にとって大事な弟な訳よ返してくれないかなあイカロス」 「だからイカではないと何度言えば「うるせぇな私がイカだっつったらタコだってイカになるんだよ判ったかこのマザコン」 あのセフィロスがに言い負かされている。正直ありえない光景だがオレの目に映ってしまっている以上これはまぎれもない現実だ。マザコン、の一言で完全にトドメを刺されたらしいセフィロスはに向かって正宗を構えた。まずいと思った次の瞬間にはの蹴りがセフィロスの顔面に綺麗に入り、セフィロスはまたもビルに叩きつけられていた(どうやらは本気らしい。韋駄天と呼ばれたその俊足はまだまだ健在のようだ) 「テメェこの私に刀突きつけるとはどういう了見だぁあああ!」 全く訳の判らない理屈ではあるが、とりあえずグッジョブの一言を送りたくなった。ビルに叩きつけられたセフィロスに向かってまたも飛び蹴りを叩き込んだはセフィロスを踏みつけマウントポジションを取り、それこそフルボッコと言う言葉がふさわしいくらい絶え間なくセフィロスを殴りつけていた(セフィロスが必死で何かを言おうとしていたがは聞く耳を持たなかった) 「妹に向かって殺気出しながら刀突きつける兄貴が何処にいる!カダージュ返せよイカぁぁぁああ!」 うん、その前に死ぬと思うからそろそろやめろよ。そう言ってやりたかったがエアリスを殺したセフィロスを助けてやる義理もないし正直いい気味なのでの気が晴れるまで殴らせてやろうと思った(あのセフィロスはカダージュの身体に宿っているというのをは完全に失念していることは確実だがそれを言えばはセフィロスを殴る手を止めてしまうと思うのであえて言わないでおいた) 「わぁああんお願いだから元に戻ってよカダージュぅうう!」 相変わらず全力でセフィロスを殴り続けるの背後に修羅が見えたのは気のせいだと思いたい。 |
慟哭は闇に消ゆ
(闇と言うかむしろあの世に消えて逝きそうな勢いだ)