オレはがどうやって戦場でその命を散らしたのかを知らない。セフィロスの旦那がと任務に出て4日、旦那だけが帰ってきた。旦那の手にはの愛刀、手渡されたのペンダントは赤黒い血で汚れていた。それはつまりが戦場で命を落としたっていう事に他ならなくて、と初めて会ったあの時から1年半、想い続けてやっと2ヶ月前に想いを通わせて、これからと一緒に歩いていこうっていうそんな時に、はオレの隣からいなくなってしまった。

「はじめてだったんだ。あんなに好きになったの」
が笑ってるだけで、オレはしあわせだった」
の笑顔を、ずっとずっと護って行こうって、決めてたのに」
「なぁ、せめて、苦しまずに、逝けたか?」

写真の中のは、オレの記憶の中の彼女と寸分違わぬ笑顔を浮かべていた。オレの隣で笑っていたは、もういない。声を聴きたいと思っても、その手に触れたいと思っても、はもう二度とオレの隣には還ってこない。

 ……っ」

夢の中でなら会えるだろうか、そう思っての写真を枕の下に置いて寝るなんて女々しい事をしてみた所ではオレの夢の中にすら帰って来てはくれなかった(せめて一言、もう彼女がこのせかいに存在しないのならばせめて一言だけでも別れを言いたいのに、まるでそれを拒絶するかのように。)

「…っなぁ、……会いに行っても、いいか?」

の亡骸は海に眠っている。の最期を看取り葬った旦那が言うその場所は、と旦那が任務で出向いた海辺の小さな村から程近い入り江だった。ただ、オレはが死んだって言う事を認めたくなくってその場に行く勇気がなかっただけで、その入り江には村人が誂えた小さな墓標があるって事は知っていた(村をモンスターから護って命を落としたの為に村人は小さいながら立派な墓標を誂えてくれたらしい)

「やっと、受け入れられそうなんだ」

お互い戦場で生きる身、いつ命を落とすか判らないそんな状況で惹かれ合ったのだからこれは必然だったのかもしれない。が逝って半年、そろそろ前を向かないとに怒られそうだと思ったオレは漸くの眠る入り江に向かおうと決心できた。別れを告げたら、前を向こう。そうしたら次に会いに行くのは、オレが英雄になった時。ザックスならきっとなれると言ってくれたに胸を張って報告しよう。

「やだ、つっても行くからな」

やっと、わたしがもうこのせかいにいないってことをうけいれられた?だからよわむしだっていうのよ、ばかザックス。
のそんな憎まれ口が聞こえた気がした。







劇は



目蓋を下ろした優しき

(深海よりも深いその場所で眠る君に別れを告げて)






Dir en grey:悲劇は目蓋を下ろした優しき鬱をイメージしてみたものの見事撃沈(死)