ExtraPart16:ハローベイビー?











「う、ぇ……ッ」


いつもみてぇに二人でメシ食ってたら、がいきなり口押さえて洗面所にダッシュした。
何だ、今日の食材に悪いモンでもあったのか?あいつオレと違って胃袋弱ぇからなぁ。
んなこと考えながら水持って洗面所まで行った。は相変わらず苦しそうに吐いてたから、背中さすってやった。


、大丈夫か?」

「う…ティ、キ…水ぅ」

「ほら」

コップを差し出したらは水を一気に飲み干してタオルで口を拭いてた。
顔真っ青のままだったから、嫌がるを抱えて部屋に戻った。
お前そんな真っ青な顔しといてマトモに歩ける訳ねぇだろ。相変わらず強がりだな。


「薬貰って来るからな?」

「…う、ん……」


とりあえずあれだ、千年公に言えばちゃんとした薬くれんだろ。
飲むのオレじゃなくてだって言えば。オレが飲むっつったら何渡されるか判ったもんじゃねぇ。


「千年公」

「オヤ、どうしましタ?ティキぽんv」

「いやなんかの体調悪くて。薬貰おーかと」

ぽんがでスかv?」

「えぇ。なんかメシ食ってたらいきなり吐いちまって」

「………ティキぽん」


千年公はすっげぇ笑顔でオレの肩に手を置いた。
ってか、マジ食ったモン戻しそう。
メシの直後に千年公のアップはキツいからやめてくださいマジで。


ぽんの所に行きますヨv」

「え?」

「とりあえず話はそれからデスv」


千年公、オレ訳が判りません。
つうかちゃんと歩くから首ねっこ引っ掴んで引きずらないでくれませんかねケツ痛ぇんすけど。
とか考えてるうちにの部屋の前に着いていた。


ぽん、私デスv入りますヨv」

「あ…千年公……」


は相変わらずすっげー真っ青な顔でソファにうなだれてた。
グラスは空っぽ。千年公はの隣に座ると、のデコに手を当てた。何やってんだおっさん。


「ウーン、熱はないですネェv症状は吐き気だけですカ?」

「…今の、ところは……」

「ンーvではティキぽん、ちょっと来て下サイv」

「え?なんでオレなんすかオレについ「いいから来なサイv」……はい」


え、ちょぉマジなんでこの人こんな怒ってんの?
怒られるのってオレじゃなくてむしろメイドアクマじゃねぇの?
第一、今にも死にそうなんすけどね千年公あんたそこまで鬼畜っすか?
ねぇオレの大事な大事なちゃんが死にそうなんすよ?


「いいから来なサイv」


……逆らったら殺される、オレ。


「……何なんスか、一体」

「ティキぽんv今からお医者さん呼びますヨ」

「え、そんだけ?」

「本当に馬鹿ですねぇティキぽんはvぽんがどうして具合悪いか知りたくないんでスかv?」

「……どーいう意味っすかそれ」


てかさりげなく失礼な事言われたよな今。
つーかマジで意味判んねぇんだけど何?の体調不良の原因ってメイドアクマの作ったメシじゃねーの?
ってつぶやいたら千年公はため息つきながらオレを殴った。何このいつにも増して理不尽なオレの扱い。


「フゥー……あのですねェ、もしかしたら、の話ですヨv?」

「……ええ」

「……ぽん、もしかしたら妊娠してるんじゃないですカ?
 今日の朝食はチーズリゾットだったでショウvもしかしたら悪阻かもしれませんネェv」

「…………は?!」


オレはいよいよ混乱した。何、が?
妊娠って事は、の腹ん中にオレの子がいるって事?
え、待て待てほんとちょぉ待って。つわりって何?え?


「悪阻っていうのはですねェ、学のないティキぽんにも判りやすく言えば、妊娠中の女性特有の病気に似た症状ですネv
 まぁ病気ではないので安心しててもいいと思いますガv」

「……に、んしん……?」

「そーですヨv全く、少しは気を使ってあげなさイv」



待って。マジで待って。そういえばここ最近あいつ生理来てねぇよな?
うん、間違いねぇよだって毎日シてたもん。オレが覚えてる限り2ヶ月は間違いなく生理きてないはず。
っていうかその時点でオレもまず気づけって話か。ってことは何か?
オレ、父親になんの?そっか、父親か。オレがかぁー……に似たら可愛い女の子なんだろうなー…
頭はオレじゃなくてに似ないと困るよなー…あぁ、オレが父親かぁ。

「ちょっとティキぽん、何トリップしてるんですカv
 ぽんのとこ行っててあげなサイv私はこれから医者を呼びますカラv」

「……え?あ、はい!」

「……フゥー。」


オレの背を見送った千年公がどこかうれしそうな表情でため息をついてたなんて、オレには判らなかった。
だって今のオレの頭んなかはの腹ん中にいるかもしれないオレとの子供のことばっかりだ!



っ!!!!!」

「…な、に…どしたの、そんなあわてて」


はいくらか調子もよくなったのか、窓辺に椅子を置いて風を浴びてた。
顔色もだいぶよかったし、頬に赤みが差してたから多分もう大丈夫だ。…ってそうじゃなくて!


、元気な子を産んでくれな!」

「………はい?」

「なぁどっちだと思う?男か女か。オレとしてはやっぱ男がいいんだけどさ、女もいいなーって思うんだよな。
 いっそ双子とかでもいーな、可愛さ倍増だろ?オレとの間の子ならなおさら可愛いし。
 に似たら頭だっていいぜきっ「ちょっと待って何言ってんのお願いだから落ち着いてよティキ」


はオレの言葉をさえぎって(しかも口に手榴弾を突っ込むという過激っぷりだ)
なんだか怒ったような表情を浮かべてた。あれ、何?違ぇの?だって千年公そう言ってたぜ?


「……妊娠なんかしてないよ?」

「……え゛。ウソだろだってお前2ヶ月くらい生理来てねーじゃんか毎日ヤってただろここんとこ」

「もともと生理不順なのっ!
 今日具合が悪かったのはどっかの誰かさんのせいでぜんっぜん寝れなかった上3ヶ月ぶりに生理が来たからですっ!」


ごきん、って鈍い音立ててオレの脛にの金槌が命中。
ってか、地味に痛ェんすけどいい加減その過激な愛情表現考え直してくんねぇかなぁオレいつか死んじゃいそ
(これ言うのも何度目だろうってのは怖いから考えない)。


「……え?」

「だから!今朝3ヶ月ぶりに生理来たから体調おかしかったの!妊娠なんてしないわよちゃんと薬飲んでるもん!」

「……何それお前そんなことしてたわけ?」

「どっかの誰かさんが避妊してくれないからよ」


……はは。なんだよ。オレの勝手な思い上がりか。


「……でもね、ティキ」

「……何」

「今はまだ無理でしょ?でも、この戦争が終わったら、」


さっきの事、現実にして?私がこの世界で生きてたってしるし、残してくれる?
がそんな可愛い事言うもんだから、オレは思わずを抱きしめた。




















会えるのは、もうちょっとだけ先の未来


















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うわぁありがち!!!!



2005/05/14 カルア