ExtraPart02:禁句














「……ってかさ、っていくつな訳?」


デビットのその一言が騒動の幕開けだった。
東洋人であるは年齢の割に幼く見られる事が多く、実年齢よりも5、6歳下に見られる事が多かった。
実年齢は21歳、けれども見た目は16歳程度にしか見えないのだ。
同じ東洋人の目から見ればそうでもないが、ティキやロードといった西洋人から見れば。


「………いくつに見える?」


の声色がいつもより低い。
そして怒りを含んでいる。背後に背負ったオーラも心なしか黒い。
その空気の変化を察したのか、ロードは逸早く宿題があるから、とリビングを脱出した。
が、空気を読めないデビットは、からかい混じりの声色でに言ってしまったのだ。


「15か16?ホームレスってロリコンだったんだな!」

「ヒッ!ロリコン!ヒッ!」


それに悪乗りしたジャスデロもしかり。
の逆鱗にしっかりと触れてしまった。
デビットのその言葉に、の周囲の空気は凍りつき、彼女の額に青筋が浮かぶ。
ぴき、っと音を立てて。
だがティキを貶しからかう事が楽しいのか、哀れな双子は気付かない。
彼女の怒りのボルテージが臨界点を突破してしまった事に。


「ジャースデビぃ?」

「「あん?」」


は今までに見たこともないくらい清清しい笑顔で--しかしその背後にはドス黒いオーラを背負って--双子に向き合う。
間抜けな声で返したジャスデビに、は貼り付けたような満面の笑みを浮かべて、抑制のない声で言う。


「私さぁ、これでも21歳なんだよねぇ。まぁ私って東洋人だし?
 西洋人から見れば童顔だしチビだし?どっかの誰かさんが言ってたみたいに幼児体型だしィ?
 でもね、一応君たちよりは大人な訳よ。酒もタバコも法律に触れる事なくオッケーな訳。
 そりゃティキと並んだらガキに見えるかもしんないけどね?そこは東洋人と西洋人の違いな訳よ。」

「「……さん……?」」

「明らかお前らのが年下だろーがッ!!!!!
 童顔で悪かったなコンチクショオオオオオオオォォオ!!!!!!」


が叫ぶと同時に、の両手は大きな機関銃--と言うよりは戦闘機についている機銃--となった。
間髪を入れず発射される無数の弾丸--それに加え飛んでくる手榴弾--に、哀れな双子は逃げ惑う。


「ちょ…!!!!!、待って!ボクら死ぬ!死んじゃうから!!!!」

「ノアは不死なんでしょ?!こんくらいじゃ死なないから安心なさい!!!」

「ヒッ!!!!!ごめんってば!!!!ヒィイイィイイ!!!!!!」

「今更謝ったって遅い!!!!往生しなさい!!!!!!」









ドガガガガガガガガ!!!!!


ビシッドゴァッチュドーーーーン

ヒィイイィイイイ!!!!!

ちょ、マジほんとごめんってーーーーー!!!!!!

大人しく蜂の巣になんなさいクソガキ共ーーーーー!!!!!!!

ドパラタタタタタタタタタチュドーーーーン










「………全くあのお姫様は」


自室で寛いでいたティキの耳に届いた爆音と双子の悲鳴に、ティキは苦笑いを零して呟く。
タバコを灰皿に押し付けもみ消すと、暴れているであろうを宥める為にゆっくりと立ち上がる。


「全く、だからガキだって言われんのにどうして気付かないかねぇ」


リビングの惨状が容易に想像出来てしまう。
からかい混じりの一言に本気を出してしまうのはの悪いクセ。
その素直で裏表のない彼女に、ティキは惹かれている訳でもあるが。


「……ま、んなとこがいいっちゃぁいいんだけど、な」


それにしても毎回毎回からかわれただけで屋敷を半壊させるのは如何なものか。
少しばかり、彼女に女性らしさ、大人らしさというものを教えてやらねばいけないらしい。
ティキはそんなことを考えながら、爆音鳴り響くリビングへ向かうのだった。














(この後半壊した屋敷を見た伯爵にお仕置きされるのは双子でも彼女でもなく彼なのです)




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え、これティキ夢?
お題に沿ってない気がする…全然変態ティキじゃない……!!!!(ぉ





2007/04/22 カルア