ExtraPart07:キスミーダーリン









「ティキってキス魔だよね」


そんな酷い事をさらっと言われたのは情事の後のベッドの上
最初の頃こそ情事の度に意識を飛ばしていた可愛い彼女の面影はもうない。
情事の最中はそれはそれは可愛く啼いて呂律の回らない舌でもうやめてと懇願してたあの頃の彼女は何処へやら、だ。
いや今も可愛く啼いてオレを求めてくれる事には変わりはないのだが言うなれば蕾が開いた様なそんな感じ。
少女が女性に変わったような、曖昧な表現ではあるが艶やかさを増して居る事だけは間違いない訳だ。


「……何いきなり」

「キス。好きでしょ、ティキは」


そりゃ好きな女だからキスしたいし抱きたいしオレんだって印付けたいって思うのは当然だろうがよ。
今だっての白い肌にはオレが咲かせた紅い華がいくつも咲いててオレはそれを見て満たされてる。
愛してるからキスしたくなって愛してるから繋がりたくて。そういうモンじゃねぇの?


「好きだけど?」


限定で、の話だけど。
そう付け足せばは何時もに増して頬を真っ赤に染める。それはもう爆発したかのようにぼっと一気に煙を上げて。
そして照れ隠しに飛んでくる拳。受け止めれば次に飛んでくるのは手榴弾。こんな過激な愛情表現にも慣れたモンだ。


「だからって……見えるトコにまでつけなくてもいいじゃん……」


あぁおかげでまた明日からハイネック生活じゃないかどうしてくれるんだこの万年発情期
はそう愚痴ってはいるがそれはオレの所有印なのだから目に見える場所にないと意味がない訳で。
かといってそんな事を言ってしまえば飛んでくるのは手榴弾なんて可愛いモノで済まない事もまた簡単に予想が出来た。
そういえばこの間首のキスマークを双子にからかわれて半殺しにしてたっけ。確かあの時飛ばしてたのはミサイルだ。
双子にミサイルなんてモノを飛ばすのだから、照れ隠しも相まってオレには何が飛んでくるか怖くて予想もしたくない。


は嫌か?」

「嫌っていうか…恥ずい」


そう言って真っ赤になった顔を枕に埋めて唸り声を上げるが可愛い。
最初の頃の恥じらいこそなくなったものの、これはこれでまたそそられる物があるかもしれない。
情事の最中は妖艶で大胆なが、情事の後にはこんなにしおらしくて可愛らしいのはオレしか知らない彼女の一面。


「へぇ。じゃあもっと付けてやろうか?」

「いらない!」


照れ隠しに飛んできた拳は例によって顔面にクリティカルヒット。
鼻頭に綺麗に入ったのも相まっていつもよりも過激な愛が痛い。鼻血が出てないのがせめてもの救いだきっと。
はおろおろと慌てながらなんで通過させないの!と慌てているがお前これは無理もねぇだろっていうか気付け鈍感。


「あのな、

「ん?」

「オレがお前に“触れたくない”なんて思えると思う?」


そう言いながら腰を抱き寄せれば今度こそ顔を真っ赤に染めたの思考回路はショートした。
照れ隠しの手榴弾が10個飛んで来るまであと10秒。












Kiss Me Darling!


(君のその表情が見たいから!)




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キス魔でちゃん溺愛の変態ティキぽん






2007/04/26 カルア