雨が降る
貴方は曇天の空を見つめる
私は、貴方の背中を見つめて
「雨、やまないね」
「そう、であるなあ」
雨音だけが響く部屋の中
きっと貴方は、あのひとを思い出している
「アレイスター」
「何であるか?」
「……なんでもない」
それでも貴方が私の名前を呼ぶだけで
こんなに満たされてしまうのは
「今日はなんだかおかしいであるな、は」
「雨、嫌いなだけ。なんでもないよ」
「またそうやって拗ねる…よくないであるぞ」
「違うって…」
貴方のその大きな手が私の髪に触れるだけで
貴方の優しい笑顔が私に向けられるだけで
「は、笑っているのが一番であるよ」
私はそれだけで、幸せになれる
「ありがと、アレイスター」
告げる事無い想いは胸に秘めて
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アレイスター⇔エリアーデ前提が好き。
2006/07/15 カルア