今私の目の前にいる人は誰ですか。
そう聞きたくなる私の心境、察してほしい。だってそうでしょ、いつもツンツンでデレ要素なんてかけらもないあの神田ユウが、この私の手を取って跪いて、ゲロ吐きそうになるくらいの甘い台詞を吐いているなんて。そう、今、私は何故か同じエクソシストで2つ年下の神田ユウという少年に口説かれている。しかも神田が普段の神田からは想像も付かないゲロ吐きそうになる甘い愛の言葉を延々と口にしてるもんだから、私の全身に鳥肌が立ってる。お願いだから今のこの状況から誰か助けてください!なんて心の中で叫んでみたところで、談話室という真夜中でさえ人の絶えないこの空間、普段の彼からは想像も付かないほど気色の悪い神田ユウを目の当たりにした同僚達はえらく怯えた表情で私達を遠目から見ているだけというなんとも言えない状況に私は深くため息を付いた。

、お前はどうしていつもオレを避けるんだ?オレはこんなにもお前を愛してて、いつだってこの視界の中にいないと不安になるんだぞ、。」
「か、かんだ…あのさ、えっと、どうしたの?」
「どうもしねぇ。オレはを愛してる。この世界の誰よりも、だ。がオレを愛してるつってくれんならオレは何もいらねえ。そんぐらい、オレはを愛してる」
「かかかかかかんだ、くん、ね、熱でもあるの?」
「…お前がそうやってオレを邪険に扱うから、オレはいつだってお前に熱を上げてるんだろう、

だめ。ほんとだめ。ねえお願いだからここらでいっちょアレンかラビ私を助けてくれないかなあ。このまま神田のこんな甘い愛の言葉を聞いてたら私間違いなく気色悪さで死ねる勢いなんだけどなあ、アレンとラビはどうしてこういう肝心な時にいなくってどうでもいいときに私に構いに来るのかなあ。
なんて考えてみたところでアレンとラビは任務で不在、帰還は明日の夕方という最悪の事態。神田はあの性格のおかげで教団内でも浮いた存在で怖がられているから、同じエクソシストでさえ私を助けようとはしてくれなかった。つまるところ、今のこの私の状況を打破して私を助け出してくれるのはアレンかラビかのどちらかしかいない訳で、頼みの綱のリナリーちゃんは今科学班の手伝いに借り出されてて談話室に来てくれるっていう希望はほとんどゼロで。ああ八方塞がりの四面楚歌。兎に角今私に課された使命はアクマよりよっぽどタチの悪い『甘い言葉を吐きまくる気色悪い神田ユウから逃げる』事な訳なんだけれども、目の前の神田の気色悪さに腰が抜けかけてる今の状況では無理。つまるところ、私がこの状況を自力で打破するのは無理という結論に行き着く訳で。

「愛してる。愛してる。なあ、あと何回言えばはオレを愛してくれるんだ?」
「ね、ねぇとりあえず手を離してくれないかなあ」
「嫌だ。なぁ、お前の手は白くて細くて綺麗だな。…いや、手だけじゃない。この黒い髪も、黒曜石みてぇな瞳も、薔薇色の唇も、細い身体も、お前の何もかもがオレを堕としてんだよ、
「か…っ、かんだ、」

実はこれって神田に化けたアクマなんじゃないかなあって疑いたくなるくらい、今私の目の前にいる神田はおかしい。というか、誰か真面目に助けて。このままだと私、神田の気色悪さで死ねる勢いだわ。耳をふさいでしまいたいけれど私の両手は神田に掴まれているからそれも無理、つまり神田のこのクソ寒い吐き気がする愛の言葉をずっと聴き続けるという拷問が今の私には課せられている。本当にアクマよりよっぽどタチが悪い。

「…、」
「な、ん……ッちょ…ま、な、何す…っ」
「何って、キスだろ。なあいい加減素直になれよ。」
「ま、待て待て待て待て誰がいつ神田を好きだなんて言いましたか!」
「オレがを愛してるから問題ねぇ。安心しろ、すぐオレに夢中にさせてやる」

ああああ真面目にこいつぶっころしていいですか!
あろう事か神田は私の両頬を掴み顔を近づけてキスまでしようとしてくる。そりゃあ神田はカッコイイし教団の女の子達の間でファンクラブなんてもんが密かに作られている事も知ってはいるけど、それも普段のあのクールな神田だからであって、神田ファンクラブのみなさまが今の神田を見たら絶望、失望の一言に尽きる事は目に見えて判ってる事で、でもこんなゲロ吐きそうになるくらいの甘い言葉を吐いててもやっぱり神田はカッコイイけどでもこんな神田は神田じゃない訳で、

「っこんな神田、いやあああああああああ!」







「……っていう夢を見ました」
「…お前殺されたいのか」
「だから私に顔を見せるな!あああ鳥肌立ってきた!」
「てめ…っ斬るぞ?!」
「ッ思い出しちゃうんだって!っつか吐きそ…ねえ吐いていい?」
「お前なあ!」








(その後1ヶ月神田の顔をマトモに見れなかったの、無理もないわよね?)






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えりさまご注文の「ギャグ甘夢オチの神田ゆめ」でした!
ギャグ甘で夢オチならこんな神田くんもありかなあと思いましたが書いてて正直ありえないなあと思いました……だめこんな神田くんはだめだよあのこはツンデレでもクーデレでもなくてツンドラじゃないとだめだ。
というわけでえりさまよろしければ貰ってやってくださいませヾ(*´∀`*)シ
ご注文有難う御座いましたー!