「なぁ、ここの問題判んねぇ」
「どれ?……ねえティキ、これ小学生レベルの問題よ?本当にわからないの?」
「え、いやしょうがねえだろオレ学校なんて行ってねーもんだって知ってんだろ」
暑い真夏日の午後3時、オレは自分の部屋で何故かロードの宿題をやらされている。いつもでさえ大量の宿題が出されるロードの学校、夏休みの課題はそれはそれは膨大な量で、オレと千年公は当然として、双子とスキンとルル、そしてまで借り出されて今の現状。オレの部屋の円卓を囲んで、オレらはロードの宿題を皆で協力しあって片付けようとしている訳なんだけど、オレにわたされたのはよりによって数学。いくら学がなくても計算くらいは、というの意見でオレは数学担当になった訳なんだけれども、正直既に頭が痛い。オレは金の計算はできてもこういう計算はできないんだよ。
「知ってるわ。知ってるけどねティキ、いくらなんでも分数の掛け算くらいは出来てちょうだい」
「いやあのさ、正直オレもう頭痛いの、何よブンボとブンシって」
「えええマジかよソコまで頭悪ィのかよホームレス」
「ヒヒッばかだねばか!」
「うるせぇよ殴んぞクソ双子」
「……学ナシ、」
「ぎゃはははルルにまで言われてやんのだっせー!」
そう、オレはここぞとばかりに貶されまくり。ルルは猫のくせにオレよりも頭がいいから、余計に双子達を煽る材料になる。なあ、オレもうどっか行っていいかなあとか思ってたらはため息を吐いてオレのテキストを受け取った。
「しょうがないわね、私数学やるからティキはポルトガル語やって頂戴。いくらなんでも母国語ならわかるでしょう?」
「あ、そんぐらいなら」
「役立たず、」
「あのさルル、そうやって傷つく事小声で言うのやめねえ?」
「本当の事言って、何が悪いの」
「ぎゃははは!そーだよなルル、本当の事だもんな!」
双子はさらに大爆笑。ルルは涼しい顔してノートにペンを走らせているしスキンは宿題そっちのけでケーキに食らい付いているしオレの可愛いは相変わらず酷い扱いのオレを物凄く冷めた目で見ていた。なぁ、本気でオレ泣きたくなるからそういう目で見るのやめてくんねぇかなあ。
「…まあほら今日の分もうちょっとで終わりだし。ね、みんなで頑張ろう?」
がにっこりとその手に果物ナイフを構えながら言うもんだから、オレら全員冷や汗流して宿題再開。山のようなテキストのうちの今日のノルマ、1人10ページを終えたのはそれから1時間後の事だった。
* * *
「……ねえティキ、少しだけでも勉強した方がいいと思うの、私」
「え、なんでよ別に必要ねーよ。金の計算は出来るし、英語は読み書き危ういけど喋れるし」
「そうじゃなくてね、あなたいつまで家族にバカにされたままでいるつもり?」
宿題を終えて、以外が部屋に戻って。今オレはベッドの上でごろんと寝っ転がってて、はベッドに腰掛けて本を読んでた。そんなが口を開いたかと思えば、なんだか嫌な予感ムンムンな言葉で。そりゃあオレはばかだし学校なんて行ってねーから、下手したらロードよりも頭悪ィけど、それでも生きてくのに必要なだけの知識はある。だから別に今更勉強しようなんて思わないんだけど。
「いや、今更勉強とか無意味だろ」
「バカ!私が嫌だっつってんの!あんたね、忘れたとは言わせないわよ。ロードの授業参観の時、二人で行ったじゃない仕方なく」
「……ああ、」
そういえば先月の授業参観、千年公が行けねぇからってオレとで「兄夫婦ですー」とかって行ったっけなそういえば。はロードには甘いからなーオレがいくら一緒に行こうって言っても嫌だの一点張りだったくせにロードに頼まれたらあっさり承諾しやがって。あー何、ってばあのときのことまだ根に持ってんだ?
「あんたねロードが習ってるレベルの数学で間違えるとかいい年こいて恥ずかしくないの?めっちゃくちゃ恥ずかしかったのよ私。黒板の前で硬直した挙句私に向かって“なあxとかyって何?”とかさ、ほんとありえなかったわ。」
「えええ、しょうがなくねえ?」
「しょうがなくない!」
そう、そんで今はオレのばかっぷりにえらくご立腹の様子で。今更そんな事言われたってさ、オレ今でこそノアに目覚めたからそれなりの暮らししてっけどもしオレがノアじゃなかったら勉強なんて出来たって意味のない生活してた訳だぞ?それなのに勉強とか無意味じゃね?力仕事は頭よか体力なんだしさ。
「……じゃあはオレにどうしろって言うんだよ」
「だから私が教えてあげるって言ってんの!せめて英語の読み書きくらい出来るようになって!」
「え、だからいいって読み書き出来なくても喋れるし」
「私 が 嫌 な の !」
参った。はこうなったら意地でも意見を変えない。の頑固で一直線なとこはこういう事となると物凄くタチが悪い訳。自分の意見曲げないから、オレがいくら言っても意味はない。まあオレものそういうまっすぐで純粋なとこに惚れた訳なんだけどさ。
「……じゃあ、さ」
「な、なによ」
意地でも曲げないっつーんなら、オレにだって考えがある。がオレに英語の読み書きを教える、それはまあ判った。つーか逃げらんねーし?今此処で逃げたら絶対ロードと千年公にチクってまたオレは仕事漬けのとんでもなく多忙な毎日を送るハメになるっつー事は目に見えてる訳だしな。だからな、オレはが英語の読み書き教えてくれる代わりにさ、
「がオレに英語の読み書き教えてくれるそのお礼に、」
「ちょ…ばかティキ何昼間っからサカってんのよこらあ!」
「保健の実技。オレがみっちり教えてやるよ」
「いらんわばかあああああだから学ナシだっつーのよどけええええええ!」
はベッドの上でオレの腕の中、真っ黒な長い髪をシーツに散らして顔を真っ赤にして暴れてるけどそんな抵抗オレには無意味。は小柄で細っこくてオレよか断然非力だから抵抗なんて意味はない。そう、が意見を曲げないっていうんならオレのペースに巻き込んでそんな考えをなくさせるだけだ。
「ここ最近ご無沙汰だったしな。朝までみっちり教えてやるよ、」
「あ、朝までとか無理…っ!ど、どいてえええええ!」
「無理。オレも溜まってんのなんとかしてよ」
「いーやあああああ!」
はいつもオレをバカにすっけどな、オレがより8つも年上のオトナだって事、その身体にオレの愛情と一緒にみっちり教えこんであげるから覚悟してな。
サニーデイサンデー
(太陽よりも熱い愛を!)
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携帯サイトさよならマーメイド・相互記念にてふるふ。の成海さまへ!
学ナシで甘めということなので好き勝手書いた結果裏スレスレになりましたごめんなさーいw(おい)
うちのティキはやっぱり変態なのでこんぐらいしないと、ね!(なにがだよすんなよ)