綺麗だと思ってしまった


今はもう会えぬ者を想い泣く彼女の涙を



















「………?」



「っ……ク、クロウリー?」




「泣いて…いたであるか……?」




私の声に驚き振り返った彼女は、泣いていた。

声を殺し、夜空を見上げながら。





「…ちょっと……思い出しちゃった…」



「……辛いであるな…」





食堂からほど近いテラス。

月が綺麗に見えるので、私はよく此処へ来る。

真夜中だというのに、今日は先客がいて。


そしてそれは私もよく知る、同じエクソシストの少女だった。


アクマとなった恋人を、その手で壊した

私と同じ過去を持つ、どこか脆い印象のある少女。








「……早く、終わらせなきゃいけないよね……」


「そうであるな…」







それはきっと心からの呟きなのだろう

愛したものをその手にかけてなお戦場を駆ける。

まだ年端も行かぬ彼女には、あまりに辛すぎる現実。









「………あの人の死を、無駄にしちゃいけないんだ…

 私に力を……世界を救う力をくれたあの人を裏切っちゃいけない」



「……いつか…この世界が平和になるといいであるな…」



「だから…私たちは闘うんだよ、クロウリー」











そう言って微笑むの頬を、また新しい雫が伝った


















   私



(だってそれはあまりにも神聖で)





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クロちゃんの声が誰だか気になります

個人的には子安氏希望なのですが。




2006/08/27 カルア