私だけを見て下さい

なんて 贅沢な願い事














「……ラビ」



ラビはいつもそうだ

私を好きだというその口で他の女にも好きだと言う

香水の匂いがする事にも ラビが綺麗なひとを見つめる事にも

ラビが私だけを見てくれないのにも もう慣れた。


私だけを見てと言えれば楽になれるんだろうけれど


生憎私はそんな可愛い女にはなれない訳で。





「ん?どうしたさ、?」


「別に……なぁんでもない」


「…何拗ねてるさ?」


「拗ねてなんかない。バカラビ。」



「……バカって……何怒ってるんさ」





頭もウサギになったのか。

どうして私が怒ってる理由が判らないのさ。

あんたが私に好きだというのをやめればこのイライラもなくなるんだ





「お花屋さん」


「え」


「綺麗な人だったもんねぇ。ストライクだったんでしょ、どうせまた」


「いやぁ……」




あぁ、ほらやっぱりこいつはいつもいつも。

気まずそうに頭を掻く姿を見るのは何度目だっけか?

数えるのも馬鹿らしいくらい何回も何回も見た気がする。





「ラビは大人っぽい女の人が好きなんだよねぇ」


「……」


「どうせ私はガキですよ。」




「…もしかしてやきもち焼いてる?」




「誰が」



「やっぱ可愛いさ、は」

「なにバカな事」






「オレが好きなら素直に好きって言えばいいんさ」





「誰があんたみたいな浮気ウサギ」












「いつもオレの事見てるのはオレが好きだからじゃないんさ?」












「………私から言わせる気?」













「それもいいんだけど。好きだよ、が。」











「…………バカラビ」























かゆ




オレは君だけが好きだから























********************************************************

ラビの口調って難しい…





2006/07/18 カルア