貴方と私が同じモノなら
この恋は叶ったのかな?





薄暗い、年季の入った小さなバー
私はもう2時間も、独りでグラスを傾けている。
カランカランと甲高い音を立ててベルが鳴った。
目を向ければ、酷く久しぶりに見た彼の姿


「遅いよ、ティキ」
「悪いな。」


仕事が長引いた そう言って私の隣に腰を下ろすティキ
いつものやつを、と注文をして私を見た。
彼のその視線は私を射抜くようで


「………いつまでこうしていられるのかな」
「さァな……」


アクマを壊すエクソシスト
エクソシストを壊すノア

私とティキは 相容れない存在

判っていて、惹かれあった。

逢瀬を重ねるのも、誰にも気づかれてはいけない二人だけの秘め事。
私がエクソシストなんかじゃなかったら ティキがノアなんかじゃなかったら
きっと普通に、普通の恋人同士の様に手を繋いで歩く事もできたのに。


「……いつか…終わるときが来るんだよね」
「だろうな」


手を繋いで歩きたかった
普通の恋人同士の様に、日の差す大通りを二人で一緒に
だけどそれは叶わない ただの夢物語


「………いつかティキが私を殺す日が来るのかな」
「……」
「私…どうしてエクソシストなんだろう。」
「オレは…千年公がを殺せと命令したらそれに従うしかない」
「そう、だよね」


貴方と一緒に歩きたかった。レンガで彩られた並木道。
貴方と一緒に見たかった。海に沈んでいく綺麗な夕日。
貴方と一緒に行きたかった。綺麗な綺麗なあの教会に。

願いだしたらきりがない  叶う事ない私の恋


「……オレはその日が来ない事を祈ってるよ」


は、オレが本気で愛したたった一人の女だからな
そう言って私を見るティキの顔が泣きそうだったのはきっと私の気のせいだ。




はず


(貴方と私が同じモノであったなら、きっと)






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報われない恋が多い気がするの…ティキ相手って




2006/07/17 カルア