初めて会った時。
オレは君に見とれてた。
二度目に会った時。
オレは君に恋をした。
三度目に会った時。
初めて君の笑顔を見た。
こうしてオレは、どんどんキミにハマってく。
「ちゃん」
「あ、ラビさん。おはようございます。今日、何にします?」
「そうさねー…ちゃんのオススメは?」
「そうですねぇ…」
この子の名前は。
ついこの間黒の教団にやってきた、調理師。
年はオレと同じ19。ユウと同じ日本人。
長く伸びた黒髪と、黒曜石みたいな瞳がとーっても綺麗なコ。
「ポトフ、ですねぇ。美味しいですよ〜」
「おー。じゃあそれとパンとコーヒーね」
「ブラックでいいんですよね?」
「ん。ってーか、何時になったら敬語やめてくれるんさ?」
「…いつ、って…」
そんでもって、今現在オレが恋してる子なんだなこれが。
コムイ曰く、なんだか複雑な事情の持ち主、らしい。
どーやら寄生型の適合者らしくって、確かに体内にイノセンスがあるらしーんさ?
でもどーしてか、発動しない。何度やっても、駄目。
で、彼女料理が得意だ、っていうから。
暫くの間、調理師としてここにいてもらおう、ってことになったらしい。
「だって私は…調理師、だし」
「そうだねぇ」
「ラビ、さんはエクソシストだし」
「うん」
「私、発動できない落ちこぼれ、だし」
で、どーやらちゃんはそれをとーっても気にしてるみたいなんさ。
最初の内はどーしても慣れないし、発動出来ないのが当たり前なんだけどな。
「そんな事ないさ?」
「……でも」
「いつかきっとな、発動できるさ」
「…そうですかねぇ」
「オレだって最初のうちは苦労したんさ?」
「え、ラビさんが?」
「そうさぁ。ぜんっぜん発動しないし、発動してもコントロールできないし。」
「……そうなんですか」
それでね、オレ、今ちょっとだけ夢見てる事があるんさ。
「そうそう。だから、ちゃんもきっと」
いつか、なんて断言できないけど
「発動できて、シンクロ率もイイ線行ってさ?そしたら」
オレらと同じ、エクソシストの装束に身を包んだキミと。
「きっと、なれるさ」
キミと二人、戦場に出たいって。
「……そう、かな」
「なれるさ。オレが保障する」
「……うん、そうだね。私、頑張ってみる」
「お、初めて敬語やめてくれたさ?」
「やめて、って言ったの、ラビだよ」
「はは。そうだったさ」
キミはきっと、あの装束が似合うだろうから。
凛とした、キミのその雰囲気に、きっと。
だから、並んで立てたその日には。
胸を張って、キミに好きだって伝えるさ。
心に秘めた愛
(せんじょうへきみとふたりたびだつそのひまで)
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ちょっと甘い夢を書くリハビリ中
いい加減悲恋しかかけないって夢作家としてどうかと思い始めたもので。
2007/02/16 カルア