俺はこいつに男として意識されていないような気がする
神田は今日何度目かの言葉にならない憤りを感じた。

「お前いつまで俺の部屋に居座る気だ」

ため息まじりに声をかけた先には、ベッドに横になりながら本を読むの姿。
彼女が今日オフになってしまった為、暇つぶしと称して神田の部屋に入り込んで早2時間。
本を読んだり、六幻の手入れをしたりと気を紛らわせてはいるが、神田はもう限界だった。

「いつまでーて……夕飯まで?」
「テメェあと3時間もあるじゃねぇか」
「やって暇なんよ。リナリー達任務でおらんし」
「だったら訓練でもしてろ」
「……どうしてそう…恋人を無碍にするんよあんたは」
「………テメェどういう状況かわかってねぇだろ」

「そこまで頭足らん女とちゃうで。此処は神田の部屋で、うちと神田二人き…り……?」

此処まで言ってやっと理解できたのかこの女
神田は頭を抱えた。

「そういう事だ」

はぁ、とため息を付く。
元々鈍いのは理解していたし、それも承知の上で付き合っている。
という人物は、神田よりも年上の癖に色恋沙汰にはとても鈍い。
そんな所もまぁ…と思ってはいた。

「いや…悪い、うち部屋に……」
「据え膳喰わぬは男の恥、って言うだろ」
「………や、あの」

徐々に距離を詰めていく。
壁際に追い込んで、顔の横に手を着き退路を断って。

「…据え膳出したつもりはないねんけど……」
「……悪ィのはだからな」


















(耳元で囁いて堕ちて行く)





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エロには昇華できなかったヘタレな自分



2006/08/29 カルア