タバコを吸う君を見るのが好き

凛としたその目を見るのが 好き。














「……あ、タバコ切れた…」





任務へ向かう列車の中、タバコの空き箱を握り締めてが言った。

乗る前に10箱程買い込んでいたはずなのに、もうなくなったのか。





「…もうであるか?」



「だってクロちゃん、もう二日乗りっぱなしやねんで。そら切れるわ」



「……そうであるな」





私は生憎喫煙の嗜好はない。

だから彼女の言う「手元にない不安」が判らない。

……タバコがなくなったことに気付いた彼女はさっきから落ち着きなくそわそわしている




「……?」


「…あかん、やっぱないとあかん…!」


「次の駅で買って来るであるよ」


「……次の駅…て、あと4時間もあるやんけ…!」





あぁ、あかん。イライラしてまう。 そう言って彼女は頭を抱えた。

私はいつ彼女が爆発するかと内心不安でたまらない。


……そうだ、そういえば。





は甘いもの好きであるか?」


「…へ?あぁ、好きだけど…それがどないしたん?」



「はい。あげるであるよ」





頭上に「?」を浮かべ手を出す彼女に渡した物

先ほど停車した駅で昼食を買うついでに買っておいた、飴。


そういえばは甘いものが好きだったから


元々彼女にあげるつもりで買ったのだし、これで落ち着いてくれるならそれに越した事はない。






「……飴?」


「タバコがないと口寂しいであろうと思って……」



「……………」




「……?どうしたであるか?」






が目を見開いて、驚いた顔で私を見る。

何か変な事でもしたのだろうか。ただ飴をあげただけなのに。







「や……おおきに、クロちゃん」



「どういたしましてであるよ」







顔を赤くして俯く彼女が、とても可愛く見えた。

































(それは一瞬見せる少女の表情)









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萌えどころはさんのために飴を買う190cmの28歳。





2006/08/27 カルア