■Long Titles 001-050
何もかもが嫌に成った。死のうかと思った。30階建てのビルの屋上から飛び降りようとしたその時に君の笑顔が瞼の裏に浮かんだ。一瞬、飛び降りるのを躊躇した。---君の為にあと少しだけ生きようと思った。
愛されたいから愛した。君からの愛してるが欲しかったから何度も愛を囁いた。狂気じみた僕の愛ですら君は笑って受け入れてくれた。だから僕は少しだけ君を真面目に愛してみようと思った。
出会いは余りにも突然で有り得ない事だらけだった。そんなことはまずありえないはずだったのだ。それなのに私は何故か異世界という場所にいるらしい。兎に角、目の前にいる男は笑顔を浮かべて私を見ていた。
風が鳴いた。君へ送った最期の手紙は無事に届いただろうか。僕は明日風になります。何を恐れることがありましょうか。僕は君の為にこそ死にに逝くというのに。君が生きる事、それが僕の最期の望みなのです。
鈍色に染まった空を見上げた。雲は灰色、空は鈍色。いろどりなんてまるでない。こんなちっぽけな私の最期の景色にはふさわしい。遠くで黒煙が上がっていた。一瞬の光の後、私の意識は闇へ消えた。
戦地へ赴く貴方を見送った。無事に還って来て欲しいと願う事は罪なのだろうか。ただ、愛しい人と生を歩みたいだけなのに。武運長久をお祈りします、とは言えなかった。私のなかに命が宿っていることも。
君がいなくなって1年が経った。花が咲き誇り太陽が燦々と僕を照らしても舞い散る木の葉を見つめていても白い雪を眺めていても、僕の隣には君がいない。それがこんなに悲しいなんて知らなかった。
罪と知りながら貴方を愛しました。知らないままでいられれば幸せだったのでしょうか。けれど知らないままではいられなかった。私と貴方は決して結ばれてはいけないふたりだったなんて、そんな事。
ピアスを開けた。貴方と同じ左耳に、ピアスを開けた。少し痛んだのは耳ではなくて貴方を亡くした私の心だ。貴方の耳で光っていたダイヤのピアスは今は私の耳で光っている。貴方のたましいと共に。